昼休み
日和もいいので
公園で
おでん食べながら
ギター弾こうかな
と
ロッカーごそごそ
していたら
「きゃー見た見た?」
「かっこいいよね」
と
ざわめきとともに
女子社員の大群が
やってきた。
「エレベーターホールにいるよ」
誰が?
と尋ねると
「鶴見辰吾!」
(字あってるかな?)
とのこと。
なぜに、
こんなところに…
と
疑問だったが
きっと
サボリ常習最下層アルバイトには
わからないような
新プロジェクトが
社内で
動き始めてるのだろう。
ま、そんなことは
どうでもいいのだ。
見ねばっ!
(100%ミーハー心)
おもむろに
ギターを担ぎ
エレベーターホールへ。
なるほど
そこには
鶴見辰吾氏。
と
バイト先の会社の幹部の人たち。
ほほう
なるほど
シュッとしていた。
しかし、
鶴見辰吾だと言われなければ
ほほう
シュッとした社員さんがいるなぁ
としか
私は思わなかっただろう。
じきに
エレベーターが来て
鶴見氏と
1番偉い社員だけが
乗って
後の人たちは
深々と
お辞儀をしていた。
私のような
末端アルバイトは
こんなとき
どうすればいいのだろうと思い
とりあえず
俯いてるようにも
お辞儀しているようにも
見えるくらいの
角度に
頭を下げ
次のエレベーターを待った。
エレベーターが
行ってしまうと
残された社員さんたちが
「飯だ飯だ」と
散らばって行った。
退屈な
バイト先が
若干ざわめいた
そんな
お昼のひととき。