アングラ気取ったとて、歌謡曲生まれ、ヒット曲育ちの私です。
筒美京平先生が亡くなったというニュースを聞いて
「実在していらっしゃったんだな」と実感するという矛盾の中
「ドール」という曲が歌いたくなった。
THE BEST ドール 九月の雨 木綿のハンカチーフ 雨だれ
- アーティスト:太田裕美
- メディア: LP Record
6〜7年前、「この歌は、今の私の歌だ!」と思い、ライブでよく歌っていた。
なぜって、まず詞が刺ささった。
いくつかの恋を経験し、
酸いも甘いも味わった、
少なくとも20代後半よりは上であろう女性が
窓辺の人形に語りかける形で独白するという設定。
今の彼とも
結ばれることなく終わるんだろうなという予感の中、
感傷に浸りつつも、
最後には旅でもしようかしらと軽やかにしめくくる。
「苗字も変えずに暮らした部屋で/涙で瞳が青く染まった」とか「何にも知らずに乗せられたのが/不幸の船だと気づいて泣いた」とか
「青い目の人形」をベースに
「横浜」をモチーフに
少女趣味と恋の現実のギャップを
さらりとズバッと描く。
描くというか、えぐる。
「恋の初めだけみんな優しい/あとを悲しみが追いかけてくる」とかもう金言。
そうよね、恋って
美しく、ワクワクときめくものという少女の夢。
でも終わってみれば錆びたハモニカ。頬紅剥がれたセルロイド。
雰囲気だけでなく
物語、結論、教訓まである実直な歌詞。1曲の奥行きが深過ぎて
さすが松本隆先生。
と、まあ、そうここまでは歌詞の話。
曲に関して、じゃあどう思うか端的に言うと、まず「歌いたい!!!!」となる曲。
でも筒美京平先生の曲はほぼ全て「歌いたい!!歌わせろー!!」ってなる。緻密で大胆な構成に、叙情的で明快な抑揚に胸が踊る。
この曲も、出だしの「プイと横向いて出て行ったきり」の「きーりー」部分とか。最初から歌いたい心をくすぐる節回し。
加えて、Bメロの「大きくなったら何になる/花嫁よ」の部分で「歌いたい!」を通り越して「演じたい!」という気持ちになったの。
サビなんかもちろんです。
歌いたくなるし、踊りたくなる。
↑踊っている
歌詞の抑揚と物語にマッチしたリズム感とメロディー。
それをアングラ宴会芸風に演じて踊りたい!そう思ったら止まらなくなって。買ったの。ドール。相棒。
6年前はライブに行く時、カバンからこの子の頭がはみ出していたものです。
また、やりたいなあ。
年内は、やるかな。
ニコタマならやるかな。
12月8日(火)
高円寺U-ha
http://coffeeuha.web.fc2.com/index.html
開場19:00 開演19:30
19:30~20:25 天元ふみ
20:30~21:25 ザ・デンキサドウブズ
2000円+ドリンク